村上隆のスーパーフラット・コレクション 雑感
村上隆のスーパーフラット・コレクション ―蕭白、魯山人からキーファーまで― | 開催中の展覧会・予告 | 展覧会 | 横浜美術館
会期も終わりに近いということで、いそいそと見に行った。
村上隆のコレクションの展示であって、村上隆の作品展ではないので、ある意味、予備知識なしのあけてびっくり玉手箱状態になる人も多いと思う。
自分もどちらかといえばそんな感じだった。
並んでいる作家はどちらかと言えば名が通っている作家が多いし、作品個別の文脈は知らない作家でも割と推測できる分かりやすい作品が多い印象があったが、村上隆がこれらの作品をどのような一貫性を持って集めたのか、正直わからなかった。いや、おそらく本人が自覚している一貫性もないのだろうと思う。
一応のその答えとして、展覧会途中にある、本展に寄せての彼の文章には、このコレクションは彼が「芸術とは何か?」を考えて、あれやこれやと手を出してきた結果なのだと書いてあった。
つまり、そこには彼なりの無意識の集積があって、それが結果として現れたのが今回の展示なのだということになるが、構成としては潔く作品を年代ごとに並べただけの展示であり、そこにキュレーターの恣意性や具体的なコメントはない。
コレクション展ってそういうものだけど、それでいいのかな〜と思いつつ、個人的には考える隙間ができるし、久々にわかんない展示って面白い、と思える展覧会でもあった。
ところで「芸術とは何か?」という問いの答えとして、村上は時代の中で育まれたモノの結晶と締めていたけど、それは非常に広義的な定義だと思った。例えばそこには電化製品のような実用品も含めていいのではと思ってしまうが、それは芸術なのだろうか?
結局そんな100年も前に提示された問いを再び思い返してしまうほどに、やっぱり芸術ってわからないものだな、と美術館を出た後もしばらく考えてしまった。